音無川親水公園

我々が出掛けたのは前夜の雨も上がった03年4月6日の日曜日である。
ここ音無川親水公園は国土交通省の「日本の都市公園100選」に選ばれている。
前日の雨でお花見が出来なかった人達が繰り出したのか公園内は川の上も川縁も人で溢れていた。



音無川親水公園

この公園は入園料を取る訳でもなく本当に庶民の憩いの場所である。
しかし桜の並木は見事である。
満開の桜の下に川は流れ人が溢れている。
普通の場合だと川が溢れ人は逃げ惑うものだがここの川は至って大人しいのだ。



音無川親水公園

川縁のお花見客は結構辛い。
かたや護岸、かたや川の流れなので川上の花見客よりは苦労を強いられる。
それでも皆楽しそうに酒を酌み交わしている。
一見して面白いと思ったのはこんなお花見の席でも上座が有るらしく、護岸に寄りかかれる方に年輩者が多く見られた。
この見方は穿ちすぎだろうか。
 



飛鳥山公園

次に向かったのは飛鳥山公園である。
この公園は明治6年に定められた我が国最初の公園の一つに数えられている。
8代将軍徳川吉宗がこの土地を王子権現に寄進、整備をし桜や松などの多数の樹木を植えたことが飛鳥山公園の始まりである。



飛鳥山公園

こちらも人人人で溢れかえっている。
最寄りの王子駅を出て歩道橋を渡り飛鳥山公園の入り口付近から既に渋滞である。
飛鳥山公園は読んで字の如く山の上にある公園である。
階段は登山の人と下山の人で渋滞、停滞である。
やっとの思いで登り切るとお花見客が歩道まで溢れ飲食を楽しんでいる。
羨ましい。



飛鳥山公園

人出が多い分、迷子も多い。
ひっきりなしに迷子の放送をしているのだが迷子の数は減ることはなく逆に少しずつ増えていく。
あれほど大きく放送を流しているのに不思議なことだ。
親のお花見が終わるまで迷子案内所に預けておくつもりじゃないのかなどとと我々はバカな邪推をした。



飛鳥山公園

時計も午後2時を回りお腹も少々空いてきた。
あちらこちらを見渡し売店を見付けた。
ここも長蛇の列である。我々はビール購入とつまみ購入の二手に分かれた。
ビール購入係は私Roshiである。売店のオジサンがビールの購入本数を列の人に聞いている。
その結果、私の前でビールは売り切れてしまった。
つまみ購入係のTakaさんに連絡、ビール無しでつまみだけを食べても仕方ないのでこちらも中止した。



それにしてもよくぞこんなに人が集まったものである。後から後から入園者は引きも切らない。
大小のグループが座を広げているがこの人達はいったい何時に公園に来たのだろう。
少なくとも早朝から来ていないと場所取りが出来ないのは間違いないようだ。



飛鳥山公園

公園の中にはステージがある。
そのステージの上もお花見客が座を広げている。
いつの間にか揃いの着物を着た人達がステージ上に姿を現した。
そして踊りが始まったが周りの人達は特に興味を示すわけでもなく、ステージ上のお花見客も飲食を続けている。



この飛鳥山公園は徳川吉宗が庶民のお花見の場として造営しただけに桜も多いが庶民も多い。
少ないのは売店とトイレである。売店はたった1ヶ所しかない。普段の日なら1ヶ所程度で十分なのだろうが桜の時季は如何にも少ない。そしてトイレもである。既設の他に移動式トイレが数ヶ所に設置されているが男女共に長蛇の列である。お花見時季の場所取りはトイレの傍が良いかも知れない。
売店に関して付け加えれば飛鳥山公園の登り口付近に沢山の露天が出ている。公園内で買えない事を考えれば少しくらい高くてもこの露天は便利かも知れない。
何れにしても好天に恵まれ、酒を飲まずとも薄赤く日焼けした1日。ああ良きかな。

写真:Taka
文章:Roshi