JR京都駅  京都タワー

今回の旅行は思い付きから始まった。
理容室で少し前の週刊誌を読んでいると『京の川床料理』という記事を見たのだ。家に帰って時刻表の定期観光のページを見てみると9月23日までとある。早速、定期観光バスの予約をし出掛けたのは02(平成14)年9月20日の金曜日である。
今回も私Roshiの単独行、一泊二日の旅行だ。京都駅に着いたのは15時10分、残暑の中を京都タワーが出迎えてくれた。ホテルにチェックインをした後に駅前の定期観光バスのチケット売場で今夜の『舞妓はんと川床料理』、明日の『二条城と映画村』の2枚のチケットを購入した。



小倉山からの京都市街の夕景

バスの京都駅前発は17時過ぎ、京都市街を抜け先ずは『嵐山・高尾パークウエイ』の小倉山展望台に向かう。
この『嵐山・高尾パークウエイ』は景観に配慮し京都市街からは見えない作りになっているそうだ。
この展望台で一休みしてからお目当ての川床に向かう。



京懐石料理

先ずは川床を出している『もみぢ家』の本館駐車場にバスは入る。後はお店のマイクロバスに乗り換えて川床のある川端まで下りて行く。マイクロバスを降り3分も歩けば川床である。すでに他の川床では宴会でも始まっているらしく賑やかだ。私たち観光バスの一団も席に着き懐石料理を食す。如何にも京都らしい薄味で風雅である。しかし鮎が無い。
この川床料理のメインは鮎であるが主役が居ない。???と思いつつ箸を進めていき、お膳の上が寂しくなった頃に主役の鮎が登場した。小振りではあるが正真正銘の鮎である。箸を進めていって分かったのだが初めの料理から最後の鮎雑炊、デザートまで全部で十数品は出ただろうか。



舞妓の「ふく奈美さん」

食事をし一杯やっているところに舞妓はん二人の登場である。二人のうち私たちバスの一団を主に担当したのは舞妓になって未だ9ヶ月の『ふく奈美さん』である。一団の中の一組ずつを丁寧に回りお酌をし写真に収まる。
私のところにも勿論回って来たのでスナップを撮らして貰った。写真でお分かりのとおり彼女は下唇にしか紅をさしていない。舞妓になって1年未満は下唇にしか紅をしないのが仕来りだそうだ。そして、簪は9月は桔梗だそうで10月になるとモミジに代わるそうである。



京舞

料理が進み、盃も重なった頃に京舞の披露である。2曲を舞い1曲目は先輩の舞妓はん、2曲目が我らの『ふく奈美さん』である。











以ほろ酔いで見聞きする京舞は良いものである。
たおやかで情緒があり下を流れる清滝川のせせらぎと相まって一層の風情がある。



連なる川床

このコースの料金は2階建てバスの2階席で15,300円であるが料理の品数、味、川床の雰囲気、舞妓はんの立ち居振る舞い、踊りと堪能でき私にとっては大満足の一夜となった。



二条城「二の丸御殿」

翌9月21日、きょうの定期観光は『二条城と映画村』である。
この日は土曜休みと連休の初日が重なり、どこもかしこも込み合っている。
11時過ぎに京都駅前を出発したが直ぐに渋滞につかまる。二条城の駐車場も大混雑である。観光バスお決まりの集合写真を撮った後に国宝の『二条城二の丸御殿』の見学であるが、ここでも大渋滞である。我々のような観光バスの一団、修学旅行の一団、外国人観光客の一団などで中々前に進めないのだ。それらの一団の背後を縫うようにして御殿内を一巡、バスに戻りやっとホッとする。
次に目指すはこのコースのメイン『東映太秦映画村』である。



映画村「中央広場」「回船問屋と堀池」「芝居小屋」

『東映太秦映画村』に到着したがここも混雑である。この映画村は実際の映画やテレビドラマのロケーションに使われている場所を一般公開したテーマパークである。敷地内には江戸時代を再現した町並みや芝居小屋、郭、宿場町、町奉行所や明治の雰囲気の一角もある。時間毎にアトラクションがあるのだがタイミングが合わず、見物したのは芝居小屋のアトラクションだけである。アトラクションの中身は『子連れ狼』を再現した寸劇である。寸劇ではあるが本職の役者が演じるのでそれなりの迫力はある。寸劇終了後はお客さんを舞台に上げチャンバラを演じさせる。役者たちの達者なユーモアに場内は爆笑である。



映画村「江戸時代の町並み」「吉原通り」

この映画村の中に来場者をお姫様や町娘、新撰組隊士などに変身させてくれるお店がある。町並みを散策していると結構この変身者たちが歩いている。やはり人間には変身願望があるのかも知れない。
但し、見掛けた変身者たちは全部が女性であった。この分野でも男たちは立ち後れているのかも・・・。
映画村を楽しもうと思ったら観光バスは避けた方が無難である。観光バスで与えられる2時間半程度ではとても多くのアトラクションは見物出来ない。精々アトラクションが一つか二つ、そして幾つかの記念館や町並みを歩く程度で終わってしまう。くれぐれもテーマパークは自分の時間で行きましょう。


今回の旅行は始めに書いたとおり思い付きから始まった。
思い付いたのが旅行の1週間前。それからは定期観光バスの予約、ホテルの予約、新幹線のチケット購入と大忙しだった、と書きたいところだが忙しくも何ともない。全てがインターネット一つで済んでしまったからだ。定期観光バスのサイトにアクセスしコースと人数、乗車日等をフォームに入力し送信すると折り返し予約完了のメール。ホテルも新幹線もまた然りである。そんなの当たり前と仰るPCベテランの方々も居るでしょうが私Roshiにすれば、おっかなびっくり始めたパソコン、大進歩なのです。さぁーて、今度は何処へ行こうかな。インターネッにお伺いを立ててみますか・・・。



写真と文章:Roshi