善光寺本堂

出発は01(平成13)年7月20日、1泊の小旅行である。
夏休みと連休初日が重なったため大渋滞に巻き込まれホテルに到着したのは午後の7時少し前。荷物を部屋に置き直ぐに「善光寺」(026-234-3591)に向かった。
いくら日の長い夏でも流石に太陽は沈み、すっかり夜景色であるが、それでも善光寺、参拝客が漫ろ歩きをしている。
 



本堂内の営業?は終了していたが中には入れる。
不信心者の我々Roshi&Takaも提灯の明かりの中で賽銭を投じ堂内に入る。
提灯の明かりだけなのでやはり暗い。明朝の再訪を期し寺を後にした。



小菅亭

今回の長野行の目的の一つに私Roshiが数年前に訪れ、その時に食べた蕎麦がとても美味かったのでTakaさんにも食べて貰おうとの想いがあった。
沢山ある蕎麦屋の中から目的の蕎麦屋を探し当てた時には既に終わっていた。
途方にくれているとTakaさんがガイドブックを取り出しお勧め店「小菅亭」(026-232-2439)を見付けた。



行ってみた。まだ開いている、座敷に上がる。ビールと肴を注文。
ビールは直ぐに来たが肴が来ない。聞いてみると『隣の本店で作っている』とのこと。
暫くしてホタテ貝柱の煮付けと焼きイカの唐辛子味が卓に載る。どちらも美味。
一段落したところで“天ざる”の海苔抜きを注文。蕎麦自体はマァマァだが蕎麦つゆが美味い。そして、それに蕎麦湯を割って飲むとこれがまた美味い。酒が進む。
この小菅亭、本店は10:00〜15:00、隣の分店は17:00〜21:00までの営業である。



善光寺仲見世

翌朝は朝8時にホテルを出て善光寺に向かった。
善光寺手前の中央通りまでは未だ活気がないが、仁王門手前の参道からは殆どの店が開いている。
我々のような観光客、宿坊に泊まったと思われる年輩の小団体、カップルなどで小さな賑わいがあちらこちらで出来ている。



善光寺山門

この山門は現在、修復が行われ全景を見ることは出来ない。
重要文化財で高さ20m、屋根は檜皮葺きでその屋根の下に「善光寺」の寺号額が設えられている。
因みに山門の手前の仁王門には善光寺の山号「定額山」の額が設えられている。
「定額山 善光寺」が善光寺の本名なのである。



善光寺大勧進前の蓮池

山門を入って暫く歩いた左手に日本百庭の一つを持つ「大勧進」へと進む橋がある。
その橋から左手を眺めると多数の亀がノンビリと甲羅干しをしている。
右手を眺めると“大賀ハス(古代ハス)”が密生している。
咲き終えたもの、盛りのもの、まだ固い蕾のものなどが揃い踏みである。
開いた花は暑い陽射しの中で水に浸かりながら涼やかでチョッと艶っぽい



善光寺本堂

あちらこちらを散策している内に11時近くになってきた。
境内も朝に比べ格段の人出である。
年間の参拝客が日本一というだけに猛暑の中でも人の波は増えるばかりである。
宗派を問わない善光寺ならではの賑わいなのだろう。
朝飯抜きの我々は人波から離れ食事に向かった。



元屋

入ったのは昨夜、Takaさんに食べさせたかった店「元屋」(026-232-0668)である。
我々の本来なら先ずビールそしてお酒となるのだが今回は車である。
仕方なく“盛り蕎麦”を二枚ずつ注文した。この店の蕎麦は腰が強く喉ごしが滑らかで、この時季の蕎麦としては香りが高い方である。Takaさんも満足してくれたようだ。固執した私Roshiとしては嬉しい。
因みに善光寺界隈の蕎麦屋の営業時間は至って短い。ここ元屋は11時から14時半で営業終了。他の店も大体が遅くても17時くらいで、それ以降もやっている店の方が例外らしい。



西之門

蕎麦に満足し店を出ると斜め左手に酒蔵がある。
見学無料とあるので覗いて見ることにした。
京都の商家のような細長い路地を抜けると売店、食事処、酒造工場が現れる。
工場に入る。メインは2階で、そこから酒造りの生産ラインが見られるのだが今の時期は操業していない。
展示パネルを見て眼下の機械の稼働を想像するだけである。
ここでのお勧めをTakaさんが見付けた。
「銘酒三本セット」である。1本100ml瓶の地酒が3本セットになっている。
自分で飲むのは勿論だがお土産として配るのも可愛らしく洒落ている。



今回の長野小旅行は夏休みの始まりと連休の初日がぶつかったので渋滞は覚悟の上ではあった。
それにしても大渋滞だった。神奈川を出発し首都高速に乗って直ぐに渋滞にはまってしまった。
中央自動車道の料金所を通過して直ぐ団体ツアーバスが、臨時トイレ休憩のため何台も路肩をはみ出して止まっていて渋滞。
PAやSAでも中に入れないバスや自家用車が、その前後に停車していてまたまた渋滞。神奈川を出発してから首都高速、中央道、長野道、一般道と乗り継ぎ、朝9時の出発がホテルに着いたのは夜の7時前、都合10時間弱は車の中に居たことになる。
今回の旅では善光寺を堪能し、美味い蕎麦を堪能した。しかし、それより何より暑さ、そして渋滞をたっぷり堪能した。これも時間が経てば楽しい想い出になるのだろう・・・。


写真:Taka
文章:Roshi