隅田川

我々RoshiとTakaが『お花見バスツアー』に出掛けたのは03(平成16)年、4月3日だった。
天気は快晴、風も少なく絶好のお花見日和である。
横浜出発のバスに乗り込み先ず向かったのは日の出桟橋である。ここから水上バスに乗り約40分の船旅で隅田公園へと向かう。隅田川の両岸は満開の桜である。隅田川十二橋と言われる橋の下をくぐりながら下船場の隅田公園に到着した。



下船場を降り岸へと登ればそこが『隅田公園』である。川岸という立地のせいか公園全体が細長くなっている。ここの桜も満開である。道路が細長いのでまるで桜のトンネルの中を歩く風情である。お茶の会や着物の会が開かれていて和服のご婦人方があちらこちらで目に付いた。桜に和服、やはり良いですね。
 





上野公園

次に向かったのは上野公園である。
公園内は人の波で溢れかえっている。公園の中心辺りでは大道芸の芸人が多彩な芸を披露して拍手を浴びている。そして園内のあちらこちらではデジカメや携帯のカメラで桜を撮っている。それにしてもカメラ付き携帯の普及には驚くべきものがあると妙なところで感心した。



新宿御苑

お次は『新宿御苑』である。ここの桜は上野公園のように桜が公園全体に咲いているという感じではなく沢山の樹木の中のあちらこちらに満開の花を付けて佇んでいる感じである。




それだけに満開の桜が余計に際立って見える。
しかし、こちらも上野公園と同じようにシートを広げた花見の客で溢れんばかりである。
この新宿御苑は四季折々の樹木が楽しめるようだがやはり桜のこの時季が最高のようである。



千鳥が淵

ここ『千鳥が淵』は他のお花見コースとは少し違う趣がある。それは池を中心に遊歩道が造られいることによる。
池を取り巻くように木々が植えられ、その中でも桜が満開である。桜の花びらが池面に落ち、まるでピンクの絨毯を池に敷き詰めたようだ。その中を家族連れや若い男女の乗ったボートがのんびりと揺らいでいる。春の午後、少し眠気を誘われる風景である。



靖国神社

このお花見バスツアーの最後は『靖国神社』である。
ここの桜も満開であったがバスツアーで巡ったお花見の場所としては桜の木は少ない方だ。その代わりと言っては何だが入口から本殿まで長方形の敷地にはビッシリと屋台が軒を連ねている。桜祭りと書かれた提灯が張り巡らされ、会食用のテープルとイスが隙間無く置かれている。それこそ「花より団子」の世界である。靖国神社と言えば毎年必ず何等かの物議を醸す神社であるがこの時季は庶民が楽しめる場所のようだ。


今回の『お花見バスツアー』は本当に天気に恵まれた。
開花宣言の翌日から冬のような寒さと氷雨に桜が中々開花しなかった。
これが我々に味方してくれた。開花予想通りなら既に葉桜の筈が2週間遅れで満開である。
その満開の時期とバスツアーの時期がピッタリ重なりこれでもかと言うほどに桜を堪能した。
人間を多少長くやっているとこんな楽しい目の保養が時には出来るものらしい。
さて、来年の桜は如何になりますやら・・・。

写真:Taka
文章:Roshi